校内LAN活用研究委員会のまとめ
 さいたま市において校内LANの導入は、今年度が初年度であったが、4校のパイロット校の研究推進を中心に、委員の方々の協力のもとに研究を進めてきた。パイロット校へのLAN敷設や機器類の搬入は8〜9月までに実施され、実際の機器類活用は2学期から行われた。パイロット校には、先導役として短期間に積極的な校内LAN活用に努めていただいた。
最終的に、6校から27件の活用実践事例を報告していただくことができた。それらを集計したものを以下に記すので、今後の校内LAN活用時の資料とされたい。

実践事例の集計と考察
1.活用された各教科等
 























小学校 1 2 9 1 1 0 0 0 2 1 0 17
中学校 1 2 2 0 1 1 1 0 1 1 10
合計 2 4 11 1 1 1 1 1 2 2 1 27
(1) 算数の研究と関連付けて校内LANの活用に取り組んだ学校があったため、算数での実践事例が多くなった。
(2) 各パイロット校は、先導的な校内LAN活用の研究の意味を深めるために、できるだけ多くの教科等での活用を試みた。
(3) 音楽、外国語での実践事例は、報告されなかった。

2.活用された時間帯と機器類
           活用機器類
機器
ソフト
ウェア
インター
ネット
自作資料
小合計 合計



始め(小学校) 9 4 1 2 16 始め
始め(中学校) 7 4 0 4 15 31
中(小学校) 14 6 2 3 25
中(中学校) 8 4 3 3 18 43
終わり(小学校) 6 4 1 1 12 終わり
終わり(中学校) 4 3 1 2 10 22
合 計  48 25 8 15 96 96
(1) 活用時間帯は、多い順に、授業の「中」、「始め」、「終わり」となった。
(2) 授業のまとめとしての活用より、中盤での児童・生徒の考え方の提示や、本時の中心となる内容をWebページやコンテンツを使って提示する実践事例が多かった。
(3) 活用は、頻度の多い順に、「機器」、「ソフトウェア」、「自作資料」、「インターネット」となった。
(4) インターネットの活用は、比較的少なかった。授業のねらいに合った適切なWebページを探すには、時間を要することが、その原因であると思われる。
(5) 自作資料の作成に取り組み、活用している例が多かった。

3.活用された機器類






























 





















小学校 9 8 10 7 2 1 2 39
中学校 9 6 9 2 3 1 1 31
合計 18 14 19 9 5 2 3 70
(1) プロジェクタ、ノートコンピュータの活用が多かった。
(2) 小学校では、実物投影機の活用が多かった。
(3) プラズマディスプレイや電子情報ボードユニットは、あまり活用されなかった。

4.活用されたソフトウェア
国語
算数
数学
社会
理科
英語
統合
ソフトウェア
合計
小学校 1 5 1 1 1 0 9
中学校 0 2 0 0 0 4 6
合計 1 7 1 1 1 4 15
(1) 小学校では、算数の活用が多かった。(算数シミュレーション)
(2) 小・中学校ともに、算数、数学以外の教科のソフトウェアの活用は少なかった。
(3) 中学校では統合ソフトウェアの活用が多かった。(キューブNext2・・1、パワーポイント・・3)

5.活用されたWebページ
・トヨタ子どもクルマサイト ・算数の森・角の学習サイト
・体育の学習 ・月刊陸上競技 ・岐阜県まるごと学園
適切なWebページを探し、各教科で活用していた。

6.活用されたコンテンツ
・副読本さいたまのCD ・撮影した写真 ・見沼用水のビデオ
これまでさいたま市で開発したコンテンツが、有効に活用されていた。

7.考察
1と2から、授業の中で最も多く活用された事例は、算数における児童の考え方の提示であった。従来は、児童にノートに書いたことを発表ボードに書き写させてから、黒板に掲示するというを方法であった。しかし、校内LANの機器を用いることにより、ノートの記述をそのまま提示できることが非常に便利であり、学習課題の児童による自力解決にも有効であった。
3では、電子情報ボードユニットの活用が課題となる。電子情報ボードユニットは、簡便に移動設置が可能で、安価でありながら、プラズマディスプレイと同様の機能を併せ持つ。しかし、今回は導入時期との関連から、操作に慣れるまで負担感があるため活用が少ないと思われる。効果的な研修の実施が不可欠である。
4からは、ソフトウェア選定にさらなる検討を要することが分かる。使用した教員から意見を聞き、導入の可否を検討したり、ソフトウェアの改善へ意見を反映させたりすることが必要である。
集計結果全体より、校内LANの活用には、次の3段階があると考えられる。第1段階:機器の利用、第2段階:コンテンツの利用、第3段階:インターネットの利用。インターネットの活用にいたるまでには、多くの教員が機器の設定や操作に慣れることや、効果的なWebページを選定することなど、多くの準備段階が必要となる。今後、校内LANの導入校が増えることにより、研究の成果や情報を研修会やWebページを通して共有することにより、第2、3段階の利用も増え、さらに有効な校内LANの活用が深まると考えられる。
さらに、校内サーバにアクセスした情報交換等、新たな校内LANの活用方法も研究したい。


教育研究所では、今年度、校内LAN活用研究委員会で取り組んだ研究をもとに、平成19年度以降も校内LANの導入を順次適切に進め、授業のさらなる質の向上に結び付けたいと考える。


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